令和元年度 
    群馬県小学校長会活動方針


 群馬県小学校長会は、結成以来、本県の小学校教育の充実・発展のため、会員が相互に連携し合い、
真摯に研究と実践を積み重ね、着実にその成果を上げてきた。
今日、我が国はグローバル化の進展や人工知能(AI)の飛躍的な進化とともに少子高齢化など、急激な
社会的変化の中で先を見通すことが難しい時代にある。そのような中でも、伝統や文化に立脚した広い
視野を持ち、志高く未来を創り出していくために必要な資質・能力を子どもたち一人一人に育んでいく教
育が求められている。一方、教育改革は未来を見据えて急速に展開しており、新しい時代の要請に応え
る学校教育の在り方と方策が盛り込まれた新学習指導要領が告示され、一部先行実施及び来年度から
の全面実施に向けた取組が着実に進行している。
 校長は、このような状況を踏まえ、これまでも目指してきた確かな学力、豊かな心、健やかな体、すなわ
ち知・徳・体の調和を重視する「生きる力」を育む教育を実現するため、自ら明確なビジョンを示し、教職
員組織を生かし、教育課程の編成・実施・評価・改善を図っていく必要がある。また、震災や風水害などの
教訓を生かした防災教育の充実、いじめ・不登校等の生徒指導、学校における働き方改革、子どもと向き
合う時間の確保など、山積する緊急かつ重要な課題に対応していかなければならない。
 群馬県小学校長会は、このような現実を深く認識し、「ぐんまの子ども」の健やかな成長のため、また教育
の普遍的な使命と新しい時代の要請に応じる教育の推進のため、主体的かつ組織的な活動を充実させ、
県民の信頼と期待に応える決意である。
 以上のことから、本年度は「豊かな未来を切り拓き、夢を抱いてたくましく生きる子どもを育てる学校経営」
を主題として、以下の活動を重点として推進する。 

1 信頼され魅力ある学校経営の推進

 ・ 校長は高度な使命感や倫理意識、強い責任感をもち、保護者、地域から信頼される学校経営に努める。
 ・ 校長自ら研鑽に励み、新学習指導要領の趣旨を理解した上で、学校経営上の課題を明確にするととも
  に、確固たる経営方針に基づき、魅力ある学校経営の充実に努める。
 ・ 「チームとしての学校」を実現するため、配置されている教職員はじめ多様な職種のスタッフの能力
  や特性等を生かし、学校の教育力・組織力が最大限に発揮されるよう学校経営の充実を図るとともに、
  教職員が働きやすい環境づくりに努める。

2 「社会に開かれた教育課程」の編成

 ・ 新学習指導要領の趣旨を踏まえ、多様な他者と協働するなどして未来の創り手となるために必要な資
  質・能力を育むことが重要であることを、学校と地域社会で共通の認識としながら、「社会に開かれた
  教育課程」の編成に努める。
 ・ 学校教育を通して、子どもたちが身に付けるべき資質・能力の三つの柱である「生きて働く『知識・
  技能』の習得」「未知の状況にも対応できる『思考力・判断力・表現力等』の育成」「学びを人生や社会
  に生かそうとする『学びに向かう力・人間性』の涵養」の実現を目指す。
・ これからの時代に必要となる各種能力の育成や涵養を目指し、「主体的・対話的で深い学び」の視点
  から授業改善を図るなど、各学校において「カリキュラム・マネジメント」の推進に努める。
 ・ 「考え、議論する道徳」への転換による道徳教育の改善・充実を図るとともに、集団宿泊的活動等の
  体験活動を通して社会性を育み、豊かな心の育成に努める。
 ・ 保健・体育・食育等の指導を通し、基本的生活習慣や運動習慣の改善を図り、体力・運動能力と自己
  健康管理能力の向上など健やかな体の育成に努める。

3 生徒指導の推進

 ・ 教職員の適切な支援により、可能な限り児童に自己選択や自己決定の場や機会を与え、現在及び将来
  における自己実現を図っていくための自己指導能力の育成に努める。
 ・ 人権に係る諸問題を重要課題としてとらえ、人権教育を推進するとともに、いじめ・不登校などの諸
  問題に対応するため、いじめ防止基本方針の周知・徹底及び組織的な教育相談体制の充実を図り、一人
  一人の自己実現を目指す生徒指導に努める。

4 時代に応じた新たな課題への対応


 ・ 特別な支援を必要とする児童に対し、一人一人の特性に応じた指導を一層推進するため、校内体制の
  整備と充実に努める。
 ・ 小学校から中学校への円滑な接続を実現するよう、一層の小中学校の連携を推進する。
 ・ 児童が集団の中における自己の役割や責任を自覚するとともに自らを生かし、社会と自己との係わり
  から夢や希望をふくらませることのできるキャリア教育の充実に努める。
 ・ 児童の安全を確保するため、家庭・地域や関係機関等との連携を密にし、防災教育の推進や校内外の
  危機管理、安全管理体制の充実に努める。

5 教職員の資質・能力の向上と業務改善


 ・ 人事評価制度を適切に運用し、教職員の職能成長に努める。
 ・ 校内研修体制の充実を通して、教職員の実践的指導力の向上に努める。
 ・ 教職員の年齢構成を踏まえ、経営的感覚を備えたミドルリーダーの育成に努める。
 ・ 群馬県中学校長会と連携し、教職員の倫理意識の向上に努める。
 ・ 教職員自らの意欲と能力を最大限に発揮できるような勤務環境を整備するため、業務改善の取組につ
  いて議論を深め、具体的方策の推進に努める。 

6 教職員の配置及び処遇改善

 ・ 人事、給与、勤務条件等の改善に関する情報を積極的に収集し、よりよい教育環境をつくるため、県
  中学校長会と連携し、提言に努める。

7 広報活動の推進

 ・ 本会の活動を会員に伝えるとともに、会員の意見等を紹介するなど本会会員の連帯感の向上に努める。
 ・ 国や県の教育行政の動向及び全連小等の活動状況に関する情報の収集・提供に努める。

8 組織の活性化と活動の充実


 ・ 研究大会、研究協議会、各専門部(研究部、人事給与対策部、広報部、教育情報部、倫理委員会)の
  活動を通して、組織の活性化を図り、研究活動を充実させるとともに、校長としての資質・能力の向上
  に努める。
 ・ 群馬県教育委員会はじめ関係機関・団体との情報交換を緊密にし、本会諸活動の充実に努める。
 ・ 理事研修会のさらなる充実を図り、国や県の教育行政の動向等を踏まえ、新たな教育課題へ適切に対
  応すべく校長相互の連携強化に努める。

 

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